蛍花


まず、以下のような物語をつくる。
蛍花
長く村人たちを苦しめた戦争が終わった、
翌年のこと。
未だに堆く重なる
たくさんの死体の隙間から
ある村人が一匹の不思議な蛍を見つける。
それは足も胴体もない、
光しかない蛍だった。
彼はその蛍を優しくすくうと
村へ帰って、
村人たちに見せた。
それは足も胴体もない、
光しかない蛍だったが、
村人たちの誰もが、
それが蛍であることを疑わなかった。
「それは、蛍花じゃよ。」
突然、ひとりの長老が口を開く。
「蛍花!?」
「それは蛍花と言って、
光から花へ擬態する花じゃ。
蛍がその短い一生を終えようとするとき、
せめて、その光だけでも残しておきたいと、
最期の力を振り絞って、
光から自らの体だけを脱皮させて、
死んでいくんじゃ。
その、一途な思いが
光を花へ擬態させる。
しかし、残念なことに、
その花も夜が明ける前には
枯れて、跡形もなくなってしまうのじゃ。」
それは
長く村人たちを苦しめた戦争が終わった、
翌年のことだった。
<蛍花>に登場する
花と、それに擬態してゆく蛍の光のイメー
ジをモーフィングで可視化した映像。

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